弊社ではレコードのCD化に際し、レーザーターンテーブルを使用機器の一つとしております。
「レーザーターンテーブルとは何?」と、思う方もいらっしゃるかと思います。
レーザーターンテーブルは一言で言うと、針を使わずに光でレコードを再生する機器です。
レーザーターンテーブルは、低域から高域まで録音時の音を忠実に再生します。そのため、レコードの原音に限りなく近い音を再現させることができるのです。
この素晴らしい技術は、世界で唯一日本だけのもの。レーザーターンテーブルの特徴について、詳しくご紹介いたします。
目次
レーザーターンテーブル LT-master α
― 特徴と使いこなしのポイント ―
針が不要
LT-master αは、レコードの溝をレーザー光で読み取る非接触方式のため、カートリッジや針をいっさい使いません。針先が溝の壁を物理的に擦らないので、再生を繰り返しても盤が摩耗せず、貴重な一枚を何度聴いても入手時の状態を保つことができます。針圧調整やオーバーハングの設定、アームの水平出しといった煩雑な調整作業からも解放され、電源を入れて盤を載せるだけで安定した再生が得られます。針の交換やカートリッジの選定に頭を悩ませる必要もなく、消耗品としての針代がかからない点も長期的には大きな利点です。同じ盤を繰り返し再生するアーカイブ用途において、この非接触という特性は決定的な意味を持ちます。
音飛びやハウリングがない
針式のプレーヤーでは、外部からの振動やスピーカーの音圧がアームとカートリッジを揺らし、低域がうなるハウリングを起こしたり、わずかな衝撃で針が溝を飛び越えて音飛びを生じたりします。LT-master αは読み取り部が盤面に触れないため、こうした機械的な振動に起因するトラブルとは無縁です。大音量で鳴らしても回り込みによるハウリングが発生せず、設置場所やラックの防振対策に神経を使う必要も大幅に減ります。また、多少の反りがある盤でもレーザーが溝を追従して読み取るため、針飛びを心配せずに最後まで再生できます。録音作業の途中で音飛びによりテイクが台無しになるリスクがないことは、デジタル化の現場では計り知れない安心感につながります。
音質
LT-master αはエルプのラインナップ最上位に位置し、標準機と比べて低中域の密度が高く、落ち着いた品位のある音を聴かせます。質量を持つカートリッジのように振動系の慣性に縛られないため、音の立ち上がりが鋭く、過渡特性に優れているのが最大の特徴です。左右の分離もきわめて良好で、アナログ特有のにじみが少なく、演奏の細部や空間の奥行きがそのまま立ち上がってきます。針が盤面を擦らないことで摩擦ノイズそのものが存在せず、曲間の静けさは波形を見ただけで判別できるほどです。柔らかさを演出するのではなく、溝に刻まれた情報をありのままに引き出す、まさにアナログマスターに迫る再生と言えます。
優れた蘇生能力
針では正常にトレースできなくなった盤でも、レーザーターンテーブルなら音楽を取り戻せる場合があります。過去に重い針圧で繰り返し再生され、溝の上部が変形・摩耗してしまった盤では、針が痛んだ箇所をなぞるためノイズだらけになりますが、LT-master αは溝の壁のうち傷みの少ない位置を読み取ることができ、本来のみずみずしい音が蘇ります。SP盤やモノラル盤、盤面に細かなスクラッチのある盤でも、読み取り位置の最適化によって十分に鑑賞できる状態まで回復することが少なくありません。すでに廃盤となり代替の効かない録音を後世に残すという意味で、この蘇生能力は何物にも代えがたい価値を持っています。
丁寧なクリーニングが必要
非接触であることの裏返しとして、LT-master αは盤面の汚れに対してきわめて敏感です。針であれば物理的に押しのけて通過してしまう微細なホコリや皮脂、カビ、静電気で吸着した繊維までレーザーは忠実に読み取り、そのままノイズとして再生してしまいます。したがって再生前のクリーニングは必須で、ブラシで表面を払う程度では不十分です。精製水と中性洗剤による手洗いや専用のレコードクリーナー、場合によっては超音波洗浄まで行い、溝の奥に入り込んだ汚れを確実に除去してから盤を載せる必要があります。手間はかかりますが、この一手間こそがレーザー再生の実力を引き出すための前提条件だと考えてください。
再生できないレコード
レーザーは溝の壁からの反射光を読み取る仕組みのため、光を正しく返さない盤は原理的に再生が困難です。代表的なのがカラーレコードやピクチャーディスク、透明盤で、光が透過したり乱反射したりして安定した読み取りができません。また、極端に深い傷や溝の欠損がある盤、過去に使用されたスプレー類やコーティング剤が残留している盤も苦手とします。反りについてもある程度までは追従しますが、限度を超えたものは読み取りが不安定になります。針では問題なく再生できるのにレーザーではノイズが出るというケースも存在し、その場合は無理をせず針式のプレーヤーで再生するという使い分けが現実的な選択となります。
レーザーターンテーブルでハイレゾ化
2021年6月9日のブログで、レーザーターンテーブルでハイレゾ化を行なった感想を書いています。
角松敏生さんのレコード「GOLD DIGGER~with true love~」「TOUCH AND GO」をレーザーターンテーブルにて再生し、それを24bitでハイレゾ音源化し聴いてみました。
レコード、カセットテープ、CD、MP3などさまざまな音源で聴いてきましたが、レーザーターンテーブルでの再生、そしてハイレゾ化した音の素晴らしさには驚きを隠せません。聴いた瞬間から音の良さがとてもよくわかります。
まず、全体の音のバランスがとても良い。すべての音がちょうどよく聴こえてくる。 音の輪郭も、くっきりと太く感じられます。
聴き比べて初めて気づきましたが、CDやMP3などではボーカルが少しだけ前に出過ぎている気がしました。 レーザーターンテーブルからハイレゾ化したものを聴くと、明らかにボーカルとバックの音とのバランスの良さに気づくことができます。
歌物の楽曲を聴く時、どうしてもボーカルを注視しがちになるかもしれませんが、角松ファンにとっては、ボーカル、ギター、ベース、ドラムetc…すべてのフレーズが一つの楽曲となっています。 歌、各楽器の音がバランスよく聴こえてとても聴き心地がよいのです。
針を使わずレコードを再生するレーザーターンテーブルなのでノイズがなく、それを24bitでハイレゾ化。 まさにアナログとデジタルのまさにいいとこどり、といった感じです。
◆ 角松敏生さんのレコードをレーザーターンテーブルでハイレゾ化
◆ 角松敏生さんのレコードをレーザーターンテーブルからハイレゾ化(1)
◆ 角松敏生さんのレコードをレーザーターンテーブルからハイレゾ化(2)
レーザーターンテーブルは、アナログレコード特有のダイナミックで迫力あるサウンドを忠実に再現できる機器です。ご自宅で眠っているレコードをレーザーターンテーブルでデジタル化し、その音に触れてみてはいかがでしょうか。
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