隠れた名盤 Part6

Phil Woods / Musique du Bois

1974年の作品です。

ジャズファン以外の方は、余り聞きなれない方だと思いますが、ビリー・ジョエルのアルバム「ストレンジャー」に入っている「素顔のままで」の中でのSAX奏者なんです。
哀愁あるアルトを吹いています。
その彼の絶頂期のアルバムです。

01 Samba Du Bois
02 Willow Weep For Me
03 Nefertiti
04 The Last Page
05 The Summer Knows
06 Airegin

Phil Woods (alto sax)
Jaki Byard (piano)
Richard Davis (bass)
Alan Dawson (drums)

(「CDジャーナル・レビュー」より)
ウッズの、切れのいい、よく鳴るアルトが堪能できる作品である。
彼はヨーロッパで5年間活躍した後、73年に帰米して活動を再開している。
その翌年1月に吹き込まれたのが本作。ここでは、彼の絶好調時の勢いが見事にとらえられていて、その演奏は今聴いても快活さにあふれ、聴きごたえ十分だ。
そして、本作の成功の大きな要因としては、ピアノにジャッキー・バイアード、ベースにリチャード・デイヴィスという、どちらも深い音楽性を有していて、そのうえ一癖も二癖ある、異端の匂いのする名手を起用したことが挙げられる。
二人の演奏の端々にはジャズの定型に収まりきらない、鋭いセンスが刃のように光っていて、それがウッズを刺激し、私たちの感覚をも突つくのだ。
そんな刺激はチャーリー・パーカー派といわれるウッズの、その伝統を受け継いだ熱く奔放な演奏に斬新さをもたらしている。
そして、(5)の映画音楽の名曲では一転、その美しい旋律の持ち味を大切に、情感豊かにサックスを奏でている。